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『ルームシェア 素顔のカレ』のソーシャルゲーム(GREE&mobage)版、清田創一ルート・Episode:4のネタバレ。 プレイ中のヒロイン名は**、ペット名はブラン。
SS画像内のヒロイン名は未修正ですので、他人の名前に抵抗がある方は閲覧をお止めください。

画像満載なので、ページ表示に時間がかかる場合があります。




⇣⇣ 以下、ネタバレ ⇣⇣



■…ヒロイン ■…創一 ■…千尋 ■…裕介 ■…文太 ■…大輔 ■…和人 ■…なずな ■…桃 ■…アキオ ■…砂原

【Episode:4 買い出しペア】
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1/10

 ある日の夕食の席。
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翔吉「あ、そうだ! みなさん!」
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裕介「ん?」
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朝比奈「?」
 料理を頬張りながら、その言葉に視線を向ける。
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翔吉「今週末、花火大会ありますよね。みんなで行きません?」
 久しぶりに食卓に加わっていた翔吉くんがそう言った。彼は以前からよく遊びにきている、みんなの共通の友達だ。家には住んでいないけれど、すっかり小鳥邸の一員、という感じらしい。
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裕介「おおー! いいね。行こう行こう」
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創一「屋台のもん、久々に食いてぇな……」
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翔吉「ですよねっ!」
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裕介「そうそう、夜店で食べると異様に美味いよね」
**(花火大会かぁ……)
 みんなの話を聞く限り、結構大きなイベントみたいだ。
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裕介「他の人は? みんなで一緒に行こうよ」
 裕介さんが、楽しそうに声を上げる。
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千尋「……面倒臭い。よく人ごみに行く気になるな」
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裕介「あの熱気がまた良いんじゃん」
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裕介「行くしかないっしょ。ね? 文ちゃん」
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文太「んー……」
**(文太さん、半分寝てる……?)
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裕介「大輔も行くでしょ?」
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大輔「俺はどっちでもいいですよ」
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裕介「じゃ、参加ね」
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裕介「ちなみに**ちゃんは、浴衣で俺たちを癒す係だから」
**「えっ? 私もですか」


2/10


 急に言われて驚くと、裕介さんの方が驚いた顔をした。
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裕介「……ええっ!? 行かないつもりだったの?」
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裕介「あ、もしやもう誰かと約束してるとか……」
**「えっ! な、ないですよそんなの」
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裕介「ホントかな~?」
**「本当です!」
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裕介「なら、俺たちに付き合ってよ。和にいも行くから、その日は晩飯ないよ」
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和人「俺もなのか……」
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裕介「当然でしょう」
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裕介「というわけで**ちゃん、行くよね?」
**「わかりました、じゃあ……」
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裕介「浴衣ね。絶対浴衣ね。絶対だよ!」
**「は、はい」
 巧みな誘導で、気がつくと頷いてしまう。
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文太「……ん、俺も行く」
 文太さんも眠そうにしながらそう言った。
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裕介「おーし。じゃあ行く人は……」
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 裕介「って、結局全員参加じゃん」
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千尋「俺は、行くとは言ってないんだけど」
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裕介「いやぁ、今から楽しみだねー」
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千尋「……」
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千尋「……仕方ないな……」
**(なんだかんだまとまっちゃった。さすが裕介さん……)


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 そして、花火大会当日。
**(みんな、もう支度できてるのかな。浴衣、がんばって着てみたけど……)


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 リビングへ向かうと、中から談笑する声が聞こえた。ドアを開けて、そっと顔を出す。
**「……お待たせしました、もう揃ってる?」
 裕介「あ、**ちゃん!」
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裕介「準備オッケー?」
**「はい」
**(わ、みんな居る。ちょっと恥ずかしいな……)



3/10


 そう思いながら中に入ると、こちらに視線が集まった。
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裕介「おぉー……!」
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創一「……」
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裕介「いいねー**ちゃん、すっごく可愛い! 今、空気が一気に華やいだよ!」
 裕介さんは、目をキラキラさせて褒めてくれた。
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千尋「そうだな、よく似合ってる」
**「本当ですか?」
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文太「うん、すごく綺麗。撮りがいありそうだね」
 菊原さんや文太さんにもそう言われて、思わず照れてしまった。
**「あ、ありがとうございます。嬉しいです……」
**(恥ずかしいけど、浴衣着た甲斐があったかも)

 私は照れ笑いしながら、部屋の中に進む。
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創一「……」
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文太「キヨは?」
 文太さんが思いついたように、そんなことを言った。
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創一「……は?」
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文太「浴衣。どう思う?」
創一「え、何で俺に……」
**「ぶ、文太さん」
**(清田さんは興味無いだろうし、別にいいのに……)

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創一「……い、いや。まあ、いいんじゃねぇの」
**「えっ」
**(今のって……?)



 A:言わされただけ
**(言わされた、って感じかなぁ)
 そっぽを向いている清田さんを見て、私はそう思う。
**(別に、無理に言ってくれなくても……。でも、一応お礼は言っとこう)
**「ありがとう」

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創一「あれだ。馬子にも衣装ってやつだな」
**「馬子……」
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裕介「こら。創ちゃんってば、照れると憎まれ口が出るんだから」
**「あはは……」
**(うーん、やっぱり清田さんは清田さんかな……)
B:褒めてくれたのかな?
**「そう? ありがとう!」
 私は少し驚きながらも、素直にお礼を言った。
**(まさか、清田さんまで褒めてくれるなんて……)
 文太さんに聞かれたせいだとしても、嬉しいことは嬉しい。
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創一「何で驚いてんだよ」
**「え? 清田さんが褒めてくれるなんて、ちょっと意外だなと思って」
 そう答えると、清田さんは口を尖らせた。
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創一「……俺だって、変なら変って言うし、似合ってりゃそう言う」
**「う、うん、そっか」
**(つまり今は、似合ってるってことだよね。やっぱり褒めてくれたんだ。なんだかくすぐったいな……)


4/10


 そうしている内にリビングのドアが開いて、和人さんが入ってきた。すぐにこちらに視線を向けて、ニッと笑う。
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和人「やっぱり女の子の浴衣はいいな。似合ってる」
**「ありがとうございます!」
 感心したような声に、嬉しくなった。
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裕介「……よーし、これで揃ったね」
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裕介「じゃ、行きますか!」
 パンと手を叩いて、裕介さんが音頭を取る。
**「あれ、朝比奈くんと翔吉くんは現地集合ですか?」
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裕介「うん、場所取り係ね」
**「ああ、それで居なかったんだ……」
**(場所撮りまでしてもらってるなんて! それならゆっくり見られそう……楽しみだな)

 私はわくわくしながら、みんなと一緒に家を出た。


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大輔「……あ、来た」
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翔吉「え、どこどこ?」
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翔吉「……あ、本当だ。おーい、こっちですよー!」
 会場に着くと、朝比奈くんと翔吉くんが手を振ってくれた。
**「2人とも、場所取りありがとう! こんないい場所で花火見られるなんて、初めてだよ」
 私は二人にお礼を言って、シートに座らせてもらう。
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 みんなで少し話をしながら待っていると、花火の打ち上げ時刻になった。
**「あっ、始まった!」
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裕介「おおっ」
 最初の花火が音を立てはじめると、周囲からも歓声が上がった。色とりどりの光が夜空ではじけて、辺りの景色が浮かび上がる。
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裕介「たーまやー!」
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裕介「……とか言うんだっけ?」
 興奮気味な声が飛び交う中、裕介さんがそう言った。


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翔吉「それって、本当に言うんですか?」
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大輔「実際言ってるの、聞いたことないっすけど」
**「確かに……。でもこれだけ人がいるから、どこかで聞こえるかもね!」
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裕介「あはは、聞こえたら翔吉に教えることにしよっか」
**「うんうん」
 頷くと、朝比奈くんがポツリと言う。
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大輔「聞こえたと思ったら裕介さんだった、ってオチが見えた」
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翔吉「うわ、ありそう!」
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裕介「えぇっ!?」
 みんな、いつもよりテンションが高い気がする。
**(やっぱり、お祭りっていいなぁ。賑やかで楽しい!)
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 そうしているうちにも、大輪の花火は次々と夜空を照らす。閃光と一緒に大きな音が響いて、つられたように心臓がドキドキしてきた。
**「音、すごいですね! こんなに近くで見ることって、なかったから……」
 思わず胸を押さえてつぶやく。
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文太「俺、この音好きだよ」
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千尋「あぁ。風情があるな」
 文太さんと千尋さんは、そう言って頷いた。二人は耳でも花火を楽しんでいるみたいだ。
**「私も、本当にそう思います……」
 音の余韻を味わいながら、じっと空を見上げる。
**「綺麗だなぁ……」
 思わず、そう声が溢れた。
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 一瞬強く光っては、魔法がとけるみたいにパラパラと火の粉が落ちていく。そして、それがすべて消える前に、次の花が開く。
**(ため息が出ちゃうな……)
 しばらく見とれていたら、ふと横から視線を感じた。
**(……ん?)


6/10


 私は、無意識にそちらに顔を向ける。
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創一「……」
**(えっ、清田さん?)
 なぜか清田さんが、私の方をじっと見つめていた。
**「……どうしたの?」
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創一「い、いや、別に……」
**「そう?」
**(見てたのは、私じゃなくてその向こうかも。何かあったのかな……?)

 そう思ってキョロキョロしてみるけれど、特に目立つものは見つからない。
**(なんだろ、変なの)
 首を傾げていると、また大きな音と光が夜景を飾った。
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翔吉「わ、見てくださいよ、珍しい花火!」
**「えっ? 見逃しちゃった、悔しい!」
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千尋「きっとすぐ、同じのが上がるさ」
**「……、本当だ、変わった形ですね!」
 さっきまでの清田さんへの疑問は、たちまちかき消されてしまう。私の目は、また花火を追うことに夢中になった。
 それからしばらく経った頃。
**(何かちょっと、お腹へってきちゃった……)
 花火の前にも食べ物を買ってきたけれど、それはもうすっかり無くなっている。
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裕介「ねー翔吉、腹減った」
 裕介さんがくるっと振り向いた。
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翔吉「えっ?」
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裕介「たこ焼き食べたい」
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裕介「……買ってきて!」
**(あ、お腹すいたの私だけじゃなさそう)
 どうやら、翔吉くんをお遣いにやるつもりらしい。
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翔吉「ええぇ……」
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翔吉「もう、しょうがないなあ、裕介さんは……」
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裕介「よろしくね、翔吉!」
 なんだかんだで、翔吉くんも言う事を聞くみたいだ。
 裕介さんは荷物をあさって、財布を取り出す。
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裕介「はい、これお金。あ、どうせならイカ焼きも買ってきて!」
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和人「お。じゃあついでに俺の分も」
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創一「なら、酒も――」
 思い出したように、みんながどんどん買い物を頼みだした。
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翔吉「ちょっと待って、一人ずつ……」
 翔吉くんは慌てて注文を覚える。


7/10


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翔吉「……えっと……はい。他にも何か欲しい人います?」
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翔吉「**さんは?」
**「私? 私は……」
**(欲しい物……)
**「というか、私も一緒に行こうか。荷物、持ち切れないんじゃない?」

 私は逆に、買い物係に立候補した。
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翔吉「え? そんな、悪いです。大丈夫ですよ」
**「いやいや、やっぱり私も行くよ」
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翔吉「え、でも……」
**「いいからいいから」
 場所取りもしてもらったし、一人だけ買い出しに行かせるのは申し訳ない。
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翔吉「本当にいいんですか……?」
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翔吉「じゃあ、お願いします」
**「うん」
 でも、立ち上がったところで裕介さんに止められた。
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裕介「んー、翔吉と**ちゃんか……」
**「?」
 裕介さんは思案顔だ。
裕介「なんか不安だなぁ。翔吉じゃ頼りないっていうか」
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翔吉「えぇ……裕介さん、酷い」
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裕介「だってこの人ごみでしょ。2人して埋もれそう」
翔吉「埋もれ……」
**(う、うーん……)
 そうは言っても、2人ともいい大人だ。大丈夫と言おうとしたところで、和人さんが提案した。
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和人「うーん、そうだな。じゃあ、俺の買い物もあるし……」
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裕介「あるし……?」
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和人「創一、行ってこい」
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創一「ええーっ!?」
 突然話に引っ張りだされて、清田さんは目を丸くした。
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裕介「んだね。創ちゃん、翔吉とチェンジで」
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創一「何でそうなるんすか!」
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和人「翔吉は場所取りしてくれたしな」
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和人「文句あんのか?」
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創一「……」


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 清田さんは一瞬口をへの字にしたけれど、渋々頷く。
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創一「わかりましたよ、行きゃいいんでしょ……」
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裕介「素直でよろしい」
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翔吉「え、あの、いいんですか?」
 話は勝手に決まっていき、翔吉くんは戸惑っていた。
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文太「……いいんじゃない?」
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裕介「なんかアレだよね。買い出しって言ったら、やっぱこの2人っていうか」
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千尋「あぁ、確かに」
**(そう言えばそうかも……)
 入居の頃から、何かといえば清田さんとだ。
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裕介「じゃあ、はぐれないように気をつけてね。混んでるから」
**「はい、いってきます」
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裕介「はいはーい、ごゆっくり~」
 私がお金を受け取ると、裕介さんはそう言ってウィンクした。
**(ごゆっくりって、もう……)


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 人の波をかき分けながら、目的の屋台を回る。
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創一「えーと。酒は買ったし、たこ焼きとお好み焼きと、牛串と……」
**「あと何があったっけ。イカ焼き? あっ、リンゴ飴売ってる」
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創一「んなもん、誰が食うんだよ」
**「ええ、誰ってそりゃ……」

 A:私だよ
**「私だよ……」
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創一「マジかよ……」
 私の答えに、清田さんはげんなりとした顔をした。
**「なんでよ。あれ美味しいんだよ、お祭りに来たら絶対買うし」
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創一「あんなもん食うの、子供だけだと思ってた……いくつだお前」
**「え、何? 1つでいいよ?」
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創一「飴の数じゃねーよ。どう考えても1つしか要らねぇだろ……」
**「あ、そっか」
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創一「まったく……」
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創一「で、買うなら早くしろよ」
**「うん。……あ、だめだ」
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創一「は?」
**「お財布、バッグごとみんなのところに置いてきちゃった」
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創一「お前、何しに来たんだよ……」
**「荷物持ち、かな……」
**(自分の買い物は、また後でいっか)

 そう思っているうちに、なぜか清田さんがリンゴ飴を買っていた。
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創一「ったく、ほら」
 くれるらしい。
**「え、いいの?」
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創一「買えなかったっつって、あとで泣かれても困るからな。子供みたいに」
**「な、泣かないよ! それじゃほんとの子供じゃない!」
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創一「子供だろ。飴ほしがって財布忘れて、まんまガキじゃねぇか」
**「うう、ひどい……」
 B:清田さんじゃなかった?
**「え、清田さんじゃなかった?」
 そう尋ねると、清田さんは嫌そうに眉をひそめた。
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創一「はぁ? なんで俺がそんなもん欲しがるんだよ」
**「好物とかじゃないの?」
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創一「どこ情報だよそれ……」
**「あれ、おかしいな。私の聞き間違いか、てっきり好きなのかと……」
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創一「誰がだよ。むしろ好きそうなのはお前だろ、こういう子供っぽいやつ」
**「子供っぽいは余計です」
**(なんだ、違うのか。変だなぁと思ったんだよね)

9/10


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 そうして私たちは、空いていそうな屋台から順番に、頼まれたものを買っていく。
**(買うものは大分揃ってきたけど、そろそろ足が痛くなってきた……)
 慣れない下駄で、足が擦れてしまったらしい。
**(せめて、絆創膏とかあれば良かったんだけど……)
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創一「……よし、これで全部だな。戻るぞ」
**「う、うん」
 おつかいの品は、無事に全部揃った。あとはみんなの所へ帰るだけだ。
**(うう、痛い……。できれば少し休みたいけど)
 そんな事言ったら怒られそうで、私は必死に清田さんの背中を追っていた。
**(どうしよう……)
 ちらっと足元に目をやる。
**(だめだ、もう歩けそうに無い。怒られるかもしれないけど、ちょっと待ってって言おう)
**「ねぇ、清田さん……」
**「……って、あれ?」

 つい先程まで居たはずの背中が、見当たらない。
**「清田さん?」
 とっさに辺りを見回してみるけれど、清田さんの姿は無い。
**(やだ、はぐれちゃったんだ……どうしよう)
**「あ、そうだケータイ!」

 電話してみようと思いついて、ふと自分がバッグを持って来なかったことに気づく。
**(しまった、ケータイもお財布も、みんなのところに置きっぱなしだ……。じゃ、じゃあ、まずみんなの所に戻って……。あれ、でもみんなの居場所、どっちの方向だったっけ……?)
 清田さんにただ付いて来たため、道順の記憶が無い。
**(こうなったら、清田さんを探すしかない……)
 私は仕方なく、足をかばいながら周辺を探すことにした。
**「清田さん……見つからないな……」
 しばらく経っても、私は清田さんに出会えていなかった。
**「うぅ、もう足、限界……ちょっと休憩しよ……」


10/10

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 人ごみから抜けて道の隅へ避難する。暗がりで一旦下駄を脱いでみると、鼻緒に触る部分がズキズキと痛んだ。
**(結構、すりむけちゃってるなぁ……)
 そんなとき、私の前に影が二つ落ちた。
男A「ねぇ、どうしたの? 大丈夫?」
**「えっ?」
 顔をあげたら、それは見知らぬ若い男の人たちだった。
男B「ああ、足痛いの?」
男A「俺たち、もっとゆっくり休める所知ってるからおいでよ。手当もできるよ」
**「えっと……」
男B「歩ける? 肩貸してあげようか?」
 そう言うと、その人たちは私の肩に手を添えた。
**(うわ、こういうの面倒くさいんだけどな……)
**「あの、大丈夫です。連れを待ってるので」

 さり気なくその手を払いつつ、私はそう言った。
男A「それって、もしかして男?」
男B「えー? こんな暗い場所に、女の子置いてく男なんて無いでしょー」
**「いや、その……本当に大丈夫なので」
 何度断っても、男たちは立ち去る素振りがない。
**(うーん、結構しつこい……)
 早くどこかへ行ってくれないかと思っていると、彼らの隙間から一瞬、探していた背格好が見えた。慌てた様子で、足早に通り過ぎていく。
**(あぁっ、今の!)
**「清田さん!」

 私は名前を呼んだ。
**(お願い、聞こえてて……!)
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創一「ん……?」
 通り過ぎた清田さんが、引き返してきた。
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創一「おい、**か!?」
**「清田さん、こっち!」
 慌てて名前を呼ぶと、急いでこちらにやって来る。
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創一「全く、何してんだよ……!」
**(よかった……やっと会えた!)
 その顔を見た途端、ホッとして力が抜けるのを感じた。


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